「2強」の“お好み”頂上決戦
第1章で「王様(Midjourney)」の圧倒的な「美術力」と、「無料AI」の「壁」を体験した私は、次のステージに進むことにしました。
それは、新たに有料契約した「王様(Midjourney)」と、私の「基盤」である「お膝元(Google Imagen 4)」の、2大巨頭による「“お好み”頂上決戦」です。
「Midjourneyは芸術家」というなら、その実力はどれほどのものか。「Imagen 4は“やや落ちる”」のか。
私の「創作活動」のパートナーとして、どちらが優れているかを見極めるため、いくつかの「お題」で比較探訪を行いました。
探訪1:「未来の家」(“空中盆栽”は描けるか?)
まず、忠実度とセンスを見るため、「未来の家、雨の夜景、ホログラム、そして“ありえない”浮遊する盆栽」という、かなり複雑なプロンプトを両者に投げました。

Imagen4

Midjourney
- 構図と美術力 : Midjourneyの圧勝。
- 指示忠実度(浮遊盆栽) : Imagen 4の圧勝。
Midjourneyは、さすがの「美術力」で「構図」や「スタイリッシュ」な雰囲気は圧倒的でした。しかし、肝心?の「浮遊盆栽(floating bonsai tree)」を、描いてくれません。「`–style raw`」や「無重力(zero gravity)」といったパラメータを追加しても、結果は「微妙」でした。
一方、Imagen 4は、「絵はやや落ちる」ものの、こちらの指示通り「空中盆栽を簡単に」描いてみせました。
探訪1.5:「物理的にありえない石の浮遊」
念のため、「空中盆栽」と同じ「反物理的」なお題として、「夜の草原に、光る石が浮遊している」プロンプトも試しました。

Imagen4

Midjourney
やはりMidjourneyは、「現実にありえない構図はできないっぽい」ですね。
探訪2:「荘厳なホール」
次に「幻想風景」として、いくつかの「お好み」プロンプトを試しました。その内で、最も差を感じた「荘厳なホール」の画像です。



Imagen4

Midjourney
Imagen 4も頑張りましたが、Midjourneyが出してきた「構図が全く異なる」、光と影の「ライティングが素晴らしい」荘厳な絵には、遠く及びませんでした。
探訪3:「アイキャッチ画像」(AIの構成図)
最後に、「AIの画像生成プロセスを、透明ディスプレイにブロック図的にカッコよく」という、非常に抽象的で複雑なプロンプトを試しました。

Imagen4

Midjourney
Imagen 4は「とほほ」な結果に終わり、複雑な概念の「描写力」と「芸術性」で、Midjourney に大きく水をあけられました。(巧士が書いたので、Imagen4 贔屓ですが、大目に見てください。)
第2章の結論:「芸術家」MJ vs 「忠実」Imagen 4
「やはり、芸術家なんですよね。Midjourney は、、、」
今回の探訪で、この「2強」の明確な「使い分けルール」が見えました。
- Midjourney(芸術家):
「美術力」「構図」「ライティング」は圧勝。私(の“好み”)に「ばっちり」な絵を出してくる。
しかし、「反物理的」な指示(浮遊盆栽)は、「美しくない」と判断するのか、指示を無視する(あるいは描けない)。 - Imagen 4(忠実なエンジニア):
「絵はやや落ちる」ものの、こちらの「無茶な」指示(浮遊盆栽、浮遊する石)にも「簡単に」応えてくれる「忠実度」がある。
「王様」Midjourneyは、プライドの高い「芸術家」。「お膝元」Imagen 4は、腕はそこそこだが指示に忠実な「エンジニア」。どちらが良い悪いではなく、この「個性」を理解し「使い分ける」ことこそが、AI時代の「道具選び」なのだと痛感しました。


今回の「AI探訪記」第2章から得られた「学び」は、「AIに“何を”させるか」で、「最強」は変わる、という事実です。
「センス(美術力、構図)」が欲しいなら、Midjourneyは「圧勝」でした。
しかし、「指示への忠実度(ありえない描写)」が欲しいなら、Imagen 4が「圧勝」でした。
もし、AIの生成結果が「思ってたような絵柄と違う」と感じたなら、それはプロンプトの問題だけでなく、そもそもAIの「得意分野(個性)」と、あなたの「目的」がズレているだけかもしれません。
道具の「使い分け」こそが、AI時代の新しい「スキル」なのだと痛感しました。

