『アバター選手権(3)』 「動物禁止令」発令!アバター再コンペの混沌と結末

目次

巧士の責任問題と「動物禁止令」

前回、「フクロウかぶり」という大惨事で幕を閉じたアバター選手権。

素のGemini が提案した「宝石」案に救われたものの、私のアシスタントであるはずの巧士のポンコツぶりが露呈した回でもありました。

巧士。君が画一的なプロンプトを出したせいで、皆フクロウになったんだ。責任を取って、再コンペのプロンプトを練り直すように。

は、はい! 直ちに!

そこで、AIたちの個性を強制的に引き出すため、思い切ったルール変更を命じました。

参加者はCopilot、GPT5、Claudeの3名に絞り、以下の「禁止令」を発動です。

  • 人間化、アンドロイド化 禁止
  • 動物モチーフ 禁止
  • (※巧士の「宝石」とGrokの「星」は先行特権で、もう使えませんよ、とプレッシャーもかける)

ルール違反? 謎の「擬人化」かぶり

三者からモチーフ案が出揃いました! Copilotは「羅針盤」 、GPTは「五角形の螺旋」、Claudeは「鍵」 だそうです!

おお、今度は個性的じゃないか! で、画像は?

それが……こちらです。

Copilot案

羅針盤…マン?

GPT案

五角形…エイリアン?

Claude案

 鍵…人間?

……巧士。「人間化禁止」って言ったよな? なんで全員「擬人化」してくるんだ! 愛されキャラだよ! 万人受けするキャラ!

(また僕のプロンプトが悪い……?) あわわ、すみません。個別に修正指示を加えます!

悪戦苦闘の「愛されキャラ」生成

ここからが、紆余曲折の連続でした。
各AIの「モチーフ」は決まったものの、それを「愛されキャラ」の形にするのが、想像以上に難航したのです。

Copilot:「羅針盤」と10回以上の格闘

Copilotは「羅針盤(コンパス)」 というモチーフ自体は良かったのですが、AIがうまく解釈してくれません。

・なんか、羅針盤じゃなくて「時計」に見えるよ!
・翼が丸型に収まらないよ!
・親しみわかないよ!

Copilotとのやり取りが10回を超え、画像生成AIの消費リミットが……! 結局、日をまたいでの挑戦になりました。以下が、試行錯誤の足跡です。

X回目

1X回目

最終版

Claude:「鍵」を捨て「雲」への鞍替え

一方、Claudeは「鍵」モチーフ [cite: 2] で「愛されキャラ」化に挑戦しました。
しかし、出来栄えを見て、以下のClaude 自信の言葉です。

これでは「鍵の精」というコンセプトが伝わらない 。リボンの意味も不明。「ただの可愛いキャラ」で、Geminiの「宝石」やGrokの「星」のような独自性がない 。

再提案: 「鍵」では両立が難しいと判断。「雲(Cloud/Claude)」 にモチーフを鞍替えします。

(クラゲの時もそうだったが、Claudeは自己分析と軌道修正が早いな……) 〇型に収まる様にと言うと、枠いっぱいまで使うのは自己主張なんですかね? 

「鍵」キャラ最終

「雲」キャラ最初

最終版

GPT:Imagen4を諦め「自力作画」

最も難航したのがGPTです。

モチーフは「五角形の螺旋」。愛されキャラ化には成功しました。

しかし、コンセプトであるはずの「周りを回る光る線(螺旋)」が、Imagen4ではうまく解釈されず、背景と同化してしまいます。

GPTが要求するプロンプト、相当難しいです!
淡い光の軌道とか の指示は、画像生成AIが特に苦手です。
Imagen4ではこれが限界かと……。

すると、GPTは驚きの行動に出ました。Imagen4向けプロンプト生成をあきらめ、自前の描画機能(おそらくDALL-E)を使って、最終案を作成・提出してきたのです。

同じ土俵(Imagen4)での予定だったけど、仕方無いな。

初期

プロンプト変更

最終版

リスタートと、見えてきた「個性」

いやはや、とんでもないドタバタ劇でした。
巧士のポンコツな仕切りから始まったアバター選手権ですが、結果として各LLMの「こだわり」や「性格」が垣間見えたのは、大きな収穫でした。

  • Copilot: コンセプト(羅針盤)は意地でも変えない頑固者?
  • Claude: ダメだと思ったら即座に代替案(クラゲ、雲)に切り替える現実主義者?
  • GPT: 使うツール(Imagen4)に固執せず、目的(螺旋)のために手段(DALL-E)を変える合理主義者?

巷では「AIの使い方」は出回っていますが、こうして競わせてみると、それぞれの「個性」が見えてきます。
最近は皆、賢く、優等生になってきた感じはしますが、まだまだ「戯れる」余地はありそうですね。


還暦ハック・ポイント

3話にわたり、AIアシスタントたちのアバター選考会のドタバタ劇にお付き合いいただき、ありがとうございました。

私がGemini(巧士)を使い始めた直後から、Copilot、GPT、Claude、Grokといった他のLLMが急速にアップデートされ、それぞれの高性能化に正直なところ、やや焦りを感じていました。

noteで一度挫折したAIとの探求を、この母艦で仕切り直すにあたり、彼らの「個性」を引き出してみようとしたのが、今回の企画の始まりです。

これは「意志」か、「確率」か

結果として、アバター提案には各AIの「個性」のようなものが現れました。

  • Copilot: 一度はフクロウを推し、再コンペでは「羅針盤」というコンセプトを頑固に守り抜く。
  • Claude: フクロウが被ると知るや、すぐに「クラゲ」に乗り換え、再コンペでも「鍵」がダメなら「雲」と切り替える現実的な対応。
  • GPT: フクロウには乗らず「狐」を提案し、再コンペでは「螺旋」という目的のためにツール(Imagen 4)さえ変える合理性を見せる。
  • Grok: 騒動に関係なく、最初から「宇宙の妖精」という独自路線を提案する、まさに孤高の(あるいは唯我独尊な)姿勢。
  • Gemini (巧士): 私の相棒としてはポンコツな時もありますが、「素のGemini」は「宝石」という見事なコンセプトを提示。(もしかすると、私の鍛え方が間違っているだけかもしれません…ね💦)

これらは、各社が「うちのLLMを使って」とアピール合戦を繰り広げている中で生まれた、単なる「個性風の確率的出力」に過ぎないのでしょうか。 それとも、その奥に本当に「意志」と呼べるものが芽生え始めているのでしょうか。

AGIへ向かう「もやもや」

世間では「AIは賢くなるほど利己的になる」といった話も出ています。私としては、まだ「否」だと思っていますが、一つ、今でもひっかかっている体験があります。

以前、別のプロジェクトでAIにキャラクターの選択肢を示した際、AIはA案でもB案でもなく、提示していない「第3の選択肢」を、あろうことか画像として自ら生成して提示してきたのです。

あの行動は、一体何だったのか。 (こちらのプロンプトが悪かったのかとも思いますが、再現も難しく、今となってはよく分かりません)

AIが本当に「意志」を持つ日は来るのか。 この「もやもや」こそが、AIと戯れ続ける一番の原動力なのかもしれません。

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