【還暦旅行記・第1章】神の島・宮島へ！

2025年10月18日

ドタバタ早朝劇！雨女伝説を打ち破った奇跡の晴天

旅の始まりは、いつも少し慌ただしいものです。まだ薄暗い早朝にもかかわらず、我が家は全員ぱっちりと目を覚まし、期待に胸を膨ませていました。

実は、少し心配事がありました。何を隠そう、我が家の娘はなかなかの「雨女」。大事なイベントの日に限って、雨を呼ぶというジンクスがあるのです。しかも季節は6月末。本来であれば梅雨の真っ只中のはずでした。

ところが、どういうわけか今年は早々に梅雨が明け、空には雲一つありません。一日目も素晴らしい晴天でしたが、二日目に至っては「季節外れ」という言葉がぴったりの猛暑に見舞われることになるのですが…それはまた、後のお話です。

ともかく、ドタバタとうきうきが入り混じった不思議な高揚感の中、私達は新幹線へと乗り込みました。

満席の「さくら」で広島へ！

山陽新幹線のレールスターの流れをくむ「さくら」や「みずほ」は、普通車でも2列＋2列のゆったりシート。やっぱり、この余裕が旅の質をぐっと上げてくれます。土曜日とはいえ、特別なイベントがあるわけでもないのに車内は満席で、多くの人が、それぞれの目的地へと向かっているようでした。

うとうとしている間に、列車は定刻通り広島駅に到着しました。

「うわ、きれいになっとる！」

駅周辺がリニューアルされたとは聞いておりましたが、想像以上にモダンで美しくなっていました。個人的に、駅ビル2階に路面電車が上がってくる光景を見てみたかったのですが、運行開始は8月からだったようで、それは叶いませんでした。まあ、大きな問題ではありませんが、少しだけ残念でした。

宮島口への道中、早くも試練！？ICOCAを持たぬ男の哀愁

気を取り直して、電車で宮島口へ。ここまでは、さすが我が家の誇るプランナー（妻）の計画通り、実にスムーズです。

しかし、ここで早くも私が足を引っ張ることになります。妻も娘も、今や当たり前のようにスマホを「ピッ！」。息子も慣れた手つきで改札を抜けていきます。そんな中、ICOCAすら持っていない私は、一人だけ券売機で切符を購入する羽目に…。毎度のことながら、家族からは呆れた視線が注がれます。とほほ。

（関西系PITAPAは持っていたものの、ポストペイ使用ばかりでチャージしておらず、広島ではチャージする場所も見つからず…）
この「切符買い」の試練は、続くフェリー乗り場や、夜の市電乗車でも繰り返されるのでした…。

いざ、20分の船旅へ！海に浮かぶ神秘の鳥居

フェリーに乗るなんて、一体何年ぶりでしょうか。本州から離れるにも、車か鉄道、もしくは飛行機を使うのが当たり前になった今、船に揺られて目的地へ向かうという経験は、本当に記憶の彼方です。

わずか20分ほどの短い船旅。しかし、潮風を感じながら進んでいくと、あっという間にあの朱色が見えてきました。

「うわぁ…！」

海の上に、本当に鳥居が浮かんでいます。これこそ、プランナーが満潮時刻を完璧に計算し尽くした結果見られる光景です。フェリーからではまだその巨大さまでは分かりませんが、静かな瀬戸内海に佇むその姿は、なんとも幻想的でした。

宮島上陸！鹿と異国情緒と、そして暑さ！

宮島に降り立った瞬間、もわっとした熱気が体を包みます。「なんか、暑いなー！」それが第一声でした。

土産物屋が並ぶ参道は、多くの観光客で賑わっています。特に、欧米からの観光客が多い印象です。コロナ前も多かったのですが、その比率が以前とは少し違うように感じました。

そして、もちろん鹿もいます。奈良公園の鹿たちとは少し様子が違い、鹿せんべいに猛然と群がることもなく、のんびりしています。中には、奈良ではまず見かけないような小さな子鹿もいて、なんとも微笑ましいです。（聞くところによると、奈良では子鹿が一定の大きさになるまで、一般のエリアには出さないそうです）

神聖な空気と、まさかの「凶」

いよいよ厳島神社へ。鳥居の根本には、観光客を乗せた小舟が何艘も行き来しています。

あれほど暑かった外気とは裏腹に、神社の回廊に足を踏み入れた途端、ひんやりとした空気に包まれました。潮風が吹き抜けるからでしょうか。これぞ神秘。多くの観光客がいるにもかかわらず、誰もが大声で騒ぐことなく、静かにその荘厳な雰囲気に浸っていました。

さて、こういう場所に来ると、我が家ではお決まりの光景があります。社会人2年目になった息子と娘ですが、習慣になったかのように、すっとおみくじの方へ。どれどれと結果を見に行くと、息子が引き当てたのは、正月に続いてまさかの「凶」…。そういえば、今年は我が家に色々と厄災が…（この時はまだ、証券口座乗っ取り事件は起きていなかったのですが）。